会長の想い
木について考えていきます。(18)
里山用材(木材)について(3)
今、県内の大工職の実態を見ますと、若い人達の大工になる方がなく最悪の状態となっています。親の姿を見ている青年達は、在来の仕事ない、このままでは子供達を養っていけない、安い日当でもハウスメーカの下請けでも止むを得ないと、ハウスメーカーやゼネコンの下請けでやっと生活をしています。 そしてその為に結婚さえも出来ない若い人達も増えています。 少子化と言われている今、 原因はここにもあります。このままでは大工さんがいない時代を迎えることになってしまいます。所属する建設労働組合への保険料さえ納めることが出来ず、 組合から脱退を余儀なくされる組合員も少なくありません。 歳をとると大工さんは何処へ行っても仕事をさせてもらえません。公務員、サラリーマンの方と違い安定した年金もなく、 細々とわずかな国民年金で生活するしかありません。 この親の姿を見て、大工になろうと思うはずがありません。ですが、この大工さんから在来工法の匠を学ぶには今しかありません。 在来を教えてくれる親方がいなくなるのです。
地元の木を使う在来の生き方は里山にあるのです。 県内の建設職を助ける術は里山にあるのです。我々大工は後世に匠を伝える責任があります。しかしながら、教える場、現場がないのです。時代に流されたと言えばそれまでですが、地域にあった、現状にあった事業ど行政に求めるものです。
もう5年を過ぎると、一気に約50%の方達が仕事をする事が出来なくなります。 それ以前の方達を加えると、約55,8%の方達が仕事をすることが出来なくなります。 実際の所、職人には社会保険、厚生年金、通勤費、退職金、寒冷地手当てもありません。その上道具代も日当から出さなくてはなりません。仕事が沢山あり忙しい状態だと強くもお願い出来ますが、ハウスメーカーに押され、在来工法がなくなりつつあります。このままでは大工になる者さえいません。生活が出来ません。早急に対策支援が必要です。